6B鉛筆で描かれた世界に息づく、小さなモンスター“トテ”の物語。
家族とともに生まれた絵本『てとて』ができるまでを、 イラストと共にゆっくりと綴ります。
こんにちは、heyです。

目次
絵本制作記 過去の記事はこちら
▼ 第1回:Kindle出版から個展まで。絵本作家×画家として生きる
今回は、絵本『てとて』がどんなふうに生まれ、
そして一冊の絵本として世に出るまでのリアルな制作過程をお話しします。
この物語は、「自分の絵で生きていきたい」と強く願いながら、
家族4人の生活のなかで少しずつ積み重ねてきた日々の記録でもあります。
アイデアのはじまり|子どもの粘土から生まれた“トテ”
絵本『てとて』の主人公「トテ」は、
実は、ある日わが子が遊んでいた粘土のかたまりから生まれました。
机の上で丸く転がるその粘土のかたちが、
まるで「じっとこちらを見つめている小さな生き物」のように見えて。
そのとき、ふと鉛筆を取ってスケッチしたのが、トテの最初の姿です。

大きな一つ目、まるい体、どこか不安げで、でも優しい表情。
「この子に友だちを作ってあげたい」
——その思いが、『てとて』という物語の種になりました。
制作の道具とスタイル|6B鉛筆の線が生きる瞬間
私は水彩をほとんど使わず、iPadのアプリであるプロクリエイトの6B鉛筆というペンで描いています。
理由は単純で、鉛筆のかすれや濃淡に、
「その瞬間の気持ち」が一番よく表れるからです。
6B鉛筆は柔らかく、ほんの少し手首の力を抜くだけで
線の太さや表情が自然に変わります。
トテの輪郭も、ポンの重みも、テトの毛並みも、
すべてこの一本の鉛筆から生まれています。


・使用ツール
• iPad + Procreate
• Apple Pencil pro
•ブラシ:6B
• テクスチャ:ざらっとした紙質のキャンバス
• 彩色:ごく薄い水彩で影と温度をつける程度
「描く」より「感じる」線を大切に。
線そのものがキャラクターの“呼吸”になる。
ストーリーができるまで|“我が子の気持ち”がテーマ
『てとて』は、わが子のために描いた物語です。
子どもが成長するなかで、なかなか一歩を踏み出せず、初めて感じる「寂しさ」や「勇気」。
それを、モンスターたちの世界で表現したいと思いました。
トテはひとつ目にコンプレックスをもった“ひとりぼっちのモンスター”
でも、ある日テトと出会い、
“自分のままでいていいんだ”と気づいていきます。
それはまるで、子どもが初めて“友だち”を見つける瞬間のように、
不安と喜びが入り混じった小さな奇跡です。
〜ストーリー構成(絵コンテ段階)〜
1. トテ、孤独に暮らす
2. テトと出会う(心が少し動く)
3. テトとの何気ない日々(心が開く)
4. 手と手(ココロ)がつながる
世界観づくり|自然と命のつながりを描く
『てとて』の背景は、すべて手描きで描いています。
森、花、石、苔——どれも命を宿したように見えるよう、
細部の植物や虫まで丁寧に描き込みました。
描くときは、自然と“呼吸を合わせる”ように
ひと筆ずつ、ゆっくりと。
ときどき息子や娘が「ここにちょうちょ描いて!」と言ってくれて、
それがきっかけで物語が広がることもあります。
「親子で一緒に世界をつくる」
——それが『てとて』のいちばんの魅力かもしれません。
出版までの流れ|個人でもできる絵本出版
絵本が完成したら、次は出版準備。
私は”Amazon Kindle ダイレクト・ペーパーバック(KDP)”を利用しています。
〜実際の手順〜
1. 絵を高解像度(300dpi/RGP)で書き出し
2. ページごとにprocreateでレイアウト
3. PDF化してKDPにアップロード
4. 表紙を登録 → 内容プレビュー → 発行
印刷されたときの色味を確認するために、
家庭用プリンタで何度もテスト出力しました。
6B鉛筆の濃淡が再現できた瞬間、思わず泣いちゃいました😭
また後日、「初めてのKindle出版」について綴っていきますので、気になる方はお気に入りお願いします。
ファンとつながる|Instagramでの発信
制作の過程やストーリーを
Instagramで少しずつ発信しています。
そこから「絵本を買いました」「子どもと一緒に読みました」
という声をもらえるようになり、
絵が“誰かの日常”に届くことの喜びを感じています。
heyのインスタはこちら↓
https://www.instagram.com/te_to_te_____?igsh=MTBxN2IyanJneHY1cA%3D%3D&utm_source=qr
SNSはファンになってくれた方との交流の場。
描いた気持ちを正直に残すだけで、
同じ世界観に惹かれる人が自然と集まってきます。
これからの挑戦|絵で生きていくという選択
ボクはこれからも、絵で生きていきたい。
家族4人で支え合いながら、物語を描き続けたい。
そのためにこのブログを通して、
制作の裏側や使っているツールを紹介しつつ、
同じように夢を追う人の“きっかけ”になれたらと思っています。
次回予告|第三回は「絵本作りの現場」
次回は、実際に絵本を作るにあたって挿絵の下描きについてや絵を描けない時の葛藤、リアルな制作現場の話を綴っていきます。
かなりリアルな内容なので絵本作りを始めたいという方には参考になると思います!
おわりに
もしこの記事が少しでも役に立ったら、
ぜひコメントやSNSで感想を教えてください。
そして、「あなたのペットが絵本に登場するかも!?」
heyのInstagramをフォロー&DMしていただければ、あなたの大切な誰かを次の絵本に登場させるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日も心を描きます。
