Procreateで絵本を作る方法|iPadで『てとて』を完成させた僕の制作手順

Procreateで絵本を作る方法|iPadで『てとて』を完成させた僕の制作手順

「iPadだけで絵本って作れる?」

僕自身、絵本を作り始める前は分かりませんでした。

絵本制作を専門的に学んだわけでもありません。

本格的に絵を描き始めたのも30歳になってから。

当時は別の仕事をしていたので、毎日アトリエにこもって何時間も制作できる環境でもありませんでした。

それでも、

iPadを開く。

少し描く。

また次の日に続きを描く。

その積み重ねから完成したのが、僕の絵本『てとて』です。

今回は、実際に僕が使っているProcreate(プロクリエイト)で絵本を作る方法を、これから初めて作る人にも分かるように紹介します。


絵本はiPadだけでも作れる?

結論から言えば、

絵を描く工程のかなりの部分をiPadで進められます。

僕自身、『てとて』の制作にiPadを使いました。

使用しているアプリがProcreateです。

Procreateには、ブラシだけではなく、

  • レイヤー
  • 選択
  • 変形
  • Page Assist
  • タイムラプス

などの機能があります。

僕にとって特に大きかったのが、

どこでも制作できること。

でした。


STEP1|まず物語を作る

いきなり絵を描き始めてもいいのですが、絵本として完成させるなら、最初に物語の大まかな流れを考えます。

僕の場合も、

「子どもたちに何を伝えたいのか。」

ここがスタートでした。

文章を完璧に完成させる必要はありません。

最初は、

最初に何が起きる?

途中で何が起きる?

最後に何を伝えたい?

くらいでもいいと思います。

絵が浮かんだら、あとから物語を変えてもいい。

僕も作りながら考えていきました。


STEP2|ページ構成をざっくり決める

次に、

「どのページに、どんな場面を入れるか。」

を考えます。

ここで重要なのは、

最初から一枚一枚を完成させないこと。

まずは小さなラフで十分です。

例えば、

1ページ目:主人公登場

2ページ目:出来事が起きる

3ページ目:困る

4ページ目:誰かと出会う

というように並べてみます。

Procreateには複数ページを扱うためのPage Assistも用意されています。公式でもコミックやグラフィックノベル、コンセプト制作などへの利用が案内されています。

プロクリエイト 公式HPはこちら


STEP3|Procreateでキャンバスを作る

ここは後から困りやすいところです。

「Instagramに載せるだけ」

なら比較的小さなサイズでも問題ありません。

でも、

最終的に印刷する可能性があるなら、最初から印刷を想定したサイズで作る。

僕はこれをおすすめします。

小さいキャンバスで描いたものを後から大きくすると、画質が足りなくなることがあります。

絵本にしたいなら、

  • 完成する本のサイズ
  • 縦か横か
  • 印刷方法
  • 入稿先の指定

を先に確認しておくと安心です。

特にKDPなどで出版する場合は、実際に使用する判型や入稿仕様を確認してからキャンバスを作る方がやり直しを減らせます。


STEP4|下描き・キャラクター・背景をレイヤーで分ける

僕がデジタル制作でかなり便利だと感じたのが、

レイヤーです。

例えば、

レイヤー1:下描き

レイヤー2:線

レイヤー3:キャラクター

レイヤー4:背景

レイヤー5:文字

というように分けます。

透明なフィルムを何枚も重ねて一枚の絵にするようなイメージです。

Procreateはレイヤーやブレンドモードなどを標準機能として備えています。

これを分けておくと、

「背景の色だけ変えたい。」

「キャラクターをもう少し右にしたい。」

というときに全部描き直す必要がありません。

絵本ではページ全体のバランスを後から調整することも多いので、かなり助けられます。


STEP5|絵を描く

ここから、ようやく絵を描いていきます。

Procreateには現在、数百種類規模のブラシが用意され、ブラシのカスタマイズもできます。

ただ、

初心者の人に伝えたいのは、

最初から最高のブラシを探さなくてもいい。

ということです。

僕自身も、

「このブラシじゃないと作品が作れない。」

というところから始まったわけではありません。

まず描く。

何枚も描く。

その中で、

「この線が自分っぽい。」

「この質感が好き。」

というものが少しずつ見つかっていきます。

名刺もプロクリエイトで作ってます

STEP6|文字を置く場所を考えながら調整する

絵本は、

絵だけで完成ではありません。

文章が入ります。

ここを忘れて全面に絵を描いてしまうと、

「文字を置くところがない。」

となります。

僕なら、

絵を描きながら、

「ここに文章が入る。」

という余白も意識します。

デジタルなら、キャラクターを後から少し動かしたり、サイズを変更したりできます。

Procreateには選択やTransform機能があるので、こうした微調整ができます。

これは絵本制作とかなり相性がいいと感じています。


STEP7|全ページを並べて確認する

一枚だけを見ると、

「いい感じ。」

でも、絵本として並べると、

「ここだけ色が強すぎる。」

「似た構図が続いている。」

「物語のテンポが悪い。」

ということがあります。

だから一枚の完成度だけではなく、

一冊として見たときの流れ

を確認します。

絵本は一枚のイラストではなく、

ページをめくることで物語が進んでいくもの。

この「めくった次に何が見えるか」も僕は大切にしています。


STEP8|データを書き出す

作品が完成したらデータを書き出します。

ここでも、

SNSに載せるのか。

自宅で印刷するのか。

印刷会社へ入稿するのか。

KDPで出版するのか。

用途によって必要な形式が違います。

先に出版・印刷先の仕様を確認して、それに合わせて書き出す。

これが一番安全です。


僕の絵本は電車の中でも作っていました

『てとて』を作っていた頃、

僕はまだ消防官でした。

だから、

「今日は朝から夕方まで絵本を描こう。」

という日はほとんどありません。

僕が使ったのは、

通勤時間です。

電車に乗る。

iPadを出す。

30分描く。

仕事へ行く。

また別の日に続きを描く。

一回だけを見ると、本当に小さな時間です。

でも、

30分。

30分。

また30分。

それが積み重なって、一冊の絵本になりました。


iPadを選んだ一番の理由

画材にも、それぞれ良さがあります。

僕もキャンバスに絵を描きます。

それでも絵本制作でiPadが自分に合っていた理由は、

高性能だからだけではありません。

生活の中に制作を入れられたから。

これが一番大きかったと思います。

「絵本を作る時間を作らないと。」

ではなく、

「今ある30分で続きを描こう。」

に変わった。

iPadは僕にとって、

時間を作ってくれる制作道具でもありました。


これから絵本を作るなら何が必要?

僕なら最初は、

iPad

対応するApple Pencil

Procreate

この3つから始めます。

全部の周辺機器を最初からそろえる必要はありません。

まず描く。

必要になったものを、そのとき追加する。

それで十分だと思います。

iPadをまだ持っていない方へ

どのiPadを選べばいいかは、別の記事で詳しくまとめています。

「絵を描くためのiPadはどれがいい?」を読む

iPadで絵を描きたい人へ|初心者が後悔しない選び方【2026年版】

Apple Pencilを購入する方へ

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購入前に必ず自分のiPadとの互換性を確認してください。

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最初から「絵本作家」じゃなくていい

僕が最初の一枚を描いたとき、

画家になると思っていませんでした。

絵本作家になるとも思っていませんでした。

ただ、

子どもたちに伝えたいことがあった。

だから絵本を作ってみようと思いました。

そこから一枚描いて、

また一枚描いて、

『てとて』が完成しました。

だから、

「いつか絵本を作ってみたい。」

と思っている人がいたら、

まず物語を一つ考えて、

一枚描いてみてください。

一冊の絵本も、

最初は一枚から始まります。


あわせて読みたい

30歳から絵を描き始めた僕が、絵本出版から画家になるまで|heyの原点

僕が30歳から絵を描き始め、『てとて』を制作し、KDP出版へ進んだ経緯はこちら。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

僕は画家・絵本作家として、「想いを、物語に。」をテーマに活動しています。

作品だけではなく、絵本が生まれるまでの制作過程や、イベント・企業・地域との取り組みなども発信しています。

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