「絵を描くのは好き。でも、これを仕事にできるほど上手くない。」
そう思っている人は、意外と多いと思います。
僕自身もそうでした。
僕が本格的に絵を描き始めたのは30歳になってから。
美術大学を出たわけでもありません。
当時は消防官として働いていました。
SNSを開けば、自分より上手い人はいくらでもいる。
そんな中で、
「自分の絵にお金を払ってもらえるんだろうか。」
と思うのは、すごく自然なことだと思います。
でも今、僕は画家・絵本作家として、絵本、原画、オーダーアート、企業や地域とのプロジェクトなどに関わっています。
その経験から感じるのは、
絵を仕事にするために必要なのは、「一番上手い人になること」ではない。
ということです。
今回は、絵を仕事にしたいけれど何から始めればいいか分からない人へ、僕自身の経験から最初の一歩をまとめます。
目次
結論|最初にやるのは「売ること」ではなく「届けること」
僕が最初に大切だと思うのは、
作品をつくって、誰かに見てもらうこと。
です。
いきなり、
- 月10万円稼ぐ
- 個展を開く
- 企業から仕事をもらう
- フォロワーを1万人にする
と考えなくていいと思います。
最初は、
一枚描く。
誰かに見せる。
反応を見る。
そこからで十分です。
僕も最初から画家を目指していたわけではない

僕は消防官として働きながら、絵を描き始めました。
最初から、
「いつか画家として独立する。」
という計画があったわけではありません。
始まりはもっと個人的なものでした。
子どもたちに伝えたいことがある。
それを絵と物語として残してみたい。
そこから生まれたのが絵本『てとて』です。
つまり僕の場合、
「仕事を作ろう」として始めたのではなく、「届けたいものを作った」ことが先でした。
今振り返ると、ここはかなり大きかったと思います。
『てとて』をつくった理由はこちらの記事に詳しく書いています。
→ なぜ僕は『てとて』を描いたのか|子どもたちに残したかった「人とつながる」ということ
絵が上手くなってから売ろう、では遅い
絵を仕事にしたいと思ったとき、
「もっと上手くなってから。」
と思うことがあります。
僕もそうでした。
でも、「上手い」の基準には終わりがありません。
上を見れば、いくらでも上手い人がいます。
そして、作品を買う人が求めているものも技術だけではありません。
例えば、
- 結婚した二人の思い出を絵にしたい
- 子どもが生まれた記念を残したい
- 家族との時間を一枚の作品にしたい
- 会社が大切にしてきた想いを伝えたい
- 地域イベントの世界観をつくりたい
こういう依頼には、絵の技術だけではなく、
「その人の想いをどう受け取って、どう絵にするか。」
も大切になります。
僕が今大切にしている、
「想いを、物語に。」
という言葉も、そこにつながっています。
絵を仕事にするための最初の5ステップ
① まず作品を10枚つくる
最初から100枚を目標にしなくていいと思います。
まずは10枚。
テーマを決めてもいいし、好きなものを描いてもいい。
大切なのは、頭の中だけで考え続けず、作品として外に出すこと。
10枚並べると、少しずつ自分の好きな色やモチーフ、世界観が見えてきます。
② Instagramなどで作品を見せる
次に、作品を人に見てもらいます。
最初からフォロワー数を気にしなくて大丈夫です。
僕なら、完成した作品だけではなく、
- なぜ描いたのか
- 制作途中
- 使った画材
- 作品に込めた想い
まで発信します。
一枚の完成作品だけより、その作品の後ろにある物語まで見える方が、その人自身を知ってもらえるからです。
③ 「何を描けます」ではなく「誰に何を届けるか」を決める
ここはかなり大切だと思っています。
「絵を描きます。」
だけだと、依頼する側は何を頼めばいいのか分かりません。
例えば、
「家族の大切な記念を一枚の絵にします。」
「会社の創業ストーリーを絵本にします。」
「地域イベントの世界観をアートでつくります。」
ここまで具体的になると、
「これは自分のためのサービスかもしれない。」
と思ってもらいやすくなります。
④ 小さく販売してみる
作品が増えてきたら、実際に販売してみます。
最初から大きな個展を開かなくても、オンラインショップなら一作品から始められます。
僕も現在、作品をオンラインショップで販売しています。
自分でショップをつくると、
- 作品写真の見せ方
- 価格
- 作品説明
- 送料
- 梱包
- 購入後のやり取り
など、描くこと以外の部分も見えてきます。
それも、絵を仕事にするための大切な経験だと思います。
⑤ 一件の依頼を大切にする
初めて依頼をもらえたとき。
金額以上に大切なのが、
「なぜ自分に頼んでくれたのか。」
を知ることだと思います。
色が好きだった。
Instagramで見ていた。
作品の考え方に共感した。
友人から聞いた。
そこに、次の仕事につながるヒントがあります。
「伝わる絵」を意識する
絵を仕事にするようになって、僕が以前より考えるようになったのが、
「上手い絵」と「伝わる絵」は同じではない。
ということです。
もちろん技術は大切です。
僕自身も、もっと上手くなりたいと思っています。
でも作品を届けるときには、
「この絵で何を伝えたいのか。」
も同じくらい大切です。
実際、イラスト技法書でも「伝えたいことが伝わる絵」は、上手い絵を考える重要な要素として扱われています。
だから僕は、技術を磨きながら、同時に自分が何を届けたい人なのかも考えていけばいいと思っています。
「仕事にできる自信」がついてから始めなくていい
僕は30歳から本格的に絵を描き始めました。
そのとき、今のような活動をしている未来は想像していませんでした。
絵本をつくる。
作品を販売する。
オーダーアートを制作する。
企業や地域の仕事をする。
一つやったから、次の一つが見えました。
だから、
自信がついたら始めるのではなく、始めたから少しずつ自信がつく。
僕はそんな順番でもいいと思っています。
まずは一枚、誰かに届けてみる
もし今、
「自分の絵なんて売れない。」
と思っているなら、最初から売らなくてもいい。
誰か一人を思い浮かべて、描いてみる。
誕生日。
結婚。
子どもの成長。
大切な思い出。
その人に届けてみる。
そこで初めて、
「自分の絵が誰かに届くって、こういうことなんだ。」
と分かるかもしれません。
仕事は、その延長線上にあると僕は思っています。
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