地域のお祭りやマルシェ、フェスティバル。
そこにアートを入れる意味って、何だろう。
会場を華やかにするため。
写真映えする場所をつくるため。
もちろん、それもアートにできることのひとつです。
でも僕は、もう少し先にあるものをつくりたいと思っています。
それは、
「あのイベント、なんか良かったよね」と記憶に残る景色をつくること。
今日は、画家として地域イベントに関わるなかで僕が感じている、イベントとアートの関係について書いてみます。
目次
イベントのアートは「ポスターを描くこと」だけじゃない
イベントのアート制作というと、
「ポスターのイラストをお願いします」
というイメージが強いかもしれません。
でも、一枚の絵はそこからいろいろな場所へ広げられます。
ポスター。
会場マップ。
看板。
Tシャツ。
紙コップ。
商品パッケージ。
SNS。
そして会場そのもの。
全部に同じ世界観が流れていたら、来場した人は意識していなくても、
「このイベントらしいな」
と感じます。
僕は、この感覚がすごく大切だと思っています。

厚木珈琲フェスティバルで感じたこと
僕が関わった厚木珈琲フェスティバルでは、メインビジュアルや会場アートを制作しました。

一枚のアートをつくって終わりではなく、そのビジュアルを軸に、ロゴや会場装飾、マップ、Tシャツ、紙コップ、商品パッケージなどへ展開していきました。
すると、一枚だった絵が少しずつイベント全体へ広がっていきます。
街を歩いていてポスターを見る。
会場に着いたら同じ世界観がある。
コーヒーを飲むカップにも、そのイベントらしさがある。
写真を撮ってSNSに投稿すると、そこにも同じ世界観が残る。
僕が面白いと思うのはここです。
アートが「見るもの」から「イベントを体験するもの」に変わっていく。
子どもの記憶に残るのは、案外「景色」かもしれない
僕自身、子どもたちと関わるイベントやワークショップに参加することがあります。
そこで感じるのは、子どもは大人が思っている以上に「その日の景色」を覚えているということ。
大きな絵があった。
変なキャラクターがいた。
みんなで絵を描いた。
家にステッカーを持って帰った。
イベント名は忘れてしまっても、そのとき感じた「楽しかった」は残ることがあります。
だから僕は、イベントのアートを考えるとき、
「何を飾るか」ではなく、「どんな記憶を持って帰ってもらうか」
から考えたいと思っています。

地域のイベントだからこそ、その街の物語を入れたい
東京で開催しても、厚木で開催しても、同じデザイン。
それでは少しもったいないと思います。
その街には、その街で暮らしている人がいます。
昔から続いているお店がある。
よく待ち合わせをする場所がある。
子どもたちが遊ぶ公園がある。
地域の人だけが分かる景色がある。
そういうものを少しずつアートの中へ入れていく。
すると、その絵は単なる「イベントのイラスト」ではなく、
その街の人が自分たちの物語として見られる絵
になっていきます。
キャラクターがいると、イベントは続いていく
イベントには開催日があります。
始まって、終わる。
でもキャラクターや物語があれば、その先へ続けることができます。
今年のイベントに登場したキャラクターが、翌年また帰ってくる。
子どもが、
「あ、この子知ってる!」
と言ってくれる。
SNSにも登場する。
グッズにもなる。
街のお店にも現れる。
そうやって少しずつ育っていけば、キャラクターそのものがイベントの記憶になっていきます。
僕は、地域のアートにはこの「育てられる」という考え方がすごく合っていると思っています。
アートは、地域の人が参加できる余白をつくれる
完成した作品を僕が持っていくだけではなく、地域の人と一緒につくる方法もあります。
子どもたちに色を塗ってもらう。
メッセージを書いてもらう。
一枚の大きな作品をみんなで完成させる。
ワークショップでつくったものを会場に展示する。
すると、
「イベントを見に行った」
から、
「自分もこのイベントをつくった」
へ変わります。
僕は、この違いはかなり大きいと思っています。
僕が地域の仕事で大切にしたいこと
僕は、ただ格好いいビジュアルをつくりたいわけではありません。
その地域の人に話を聞いて、
「この街って何が面白いんだろう」
「このイベントで誰に何を届けたいんだろう」
というところから一緒に考えたい。
一枚のアート。
一人のキャラクター。
一冊の絵本。
小さなワークショップ。
始まりは何でもいいと思っています。
そこから人と人がつながり、その地域に新しい物語がひとつ増える。
そんな仕事をしていきたいと思っています。
まとめ|イベントが終わっても残るものをつくりたい
イベントは一日で終わるかもしれません。
ポスターも、いつか剥がされます。
会場装飾も撤去されます。
でも、
「あの日楽しかったね」
という記憶は残ります。
写真も残る。
作品も残る。
キャラクターも残る。
そして、そのイベントをきっかけにつながった人との関係も残ります。
だから僕は、
イベント当日を華やかにするためだけではなく、その先に残るものをアートでつくりたい。
そう思っています。
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30歳から絵を描き始めた僕が絵本出版から画家になるまで|heyの原点
30歳から絵を描き始め、絵本『てとて』の出版、そして画家として活動するまでの原点を書いています。
「想いを、物語に。」
heyでは、地域イベントのメインビジュアル、キャラクター、会場アート、ワークショップなど、ひとつの作品からイベント全体の世界観をつくるご相談もお受けしています。
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